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新次元のサラウンド空間へ

Audyssey DSX(オーディシー DSX)は包み込まれるようなサラウンド空間を作り出すために新たなサラウンドチャンネルを創り出します。

聴覚能力の限界へ挑戦
臨場感のあるサラウンドシステムの構築は、オーディオシステムがどのように人間の聴覚特性に適した環境を再現するかという能力に依存しています。現在考えられる3つの重要な要素は(1)周波数特性(2)ダイナミックレンジ(3)正確な空間の再現です。
(1)周波数特性については既に人間の聴覚特性を超えているような高いサンプリングレート(96kHzや192kHzなど)で、(2)のダイナミックレンジについても120dBに達するような信号レベルを再生させるオーディオシステムで実現されています。
しかし、(3)正確な空間の再現については既存の5.1chシステムでは人間の聴覚特性の限界にはまだ到達していません。
Audyssey DSXはこれまでの5.1chサラウンドフォーマットで限界だと思われていた空間再現能力の限界を打ち破るべく開発されました。

5.1chサラウンドの限界
5.1chのサラウンドシステムは2chのステレオシステムと比較すると確実にサラウンド再生環境が向上しています。音場のセンターを固定させるために左右のフロントチャンネルにセンターチャンネルを加えたことで全体の音場イメージが改善されました。リスナーを取り囲む2つのサラウンドチャンネルを加えることで包みこまれるような感覚も向上しました。

しかしながら、5.1chサラウンドシステムはいくつかの矛盾点で制限されています。一つ目の制限はフロントの音場の再現に関連しています。サラウンドイメージ(音像)についての研究では、標準とされるリスニングポジションから見て±30°の位置より広くフロントチャンネルを広げることが2つの耳で聞くときにより包みこまれるような感覚をもたらすとされています。
コンサートホールの音響ではこの効果を「Auditory Source Width」(音源の幅)と呼び、広くするほど好ましいとされています。 しかし、フロントスピーカーを±30°以上に広げてしまうと多くのステレオイメージ上の問題を起こします。 より良いフロントのステレオイメージと包みこまれるような感覚との間の基本的な矛盾は5.1chサラウンドシステムの制限のひとつです。

二つ目の制限はITUが推奨する2つのサラウンドスピーカーを±110°に配置することに関連しています。 サラウンドスピーカーを±90°に配置することが他のどの角度より包みこまれる感覚が得られ、±135°に配置することがより良いリアのファントムイメージを作り出すことが分かっています。よって、包みこまれる感覚とファントムイメージとの間の最も良い妥協案として±110°が選択されました。 これはより良いファントムイメージと包みこまれる感覚のどちらかひとつを選択しなくてはならないというもうひとつの5.1chサラウンドシステムの制限です。

空間認知にはより多くのチャンネルが必要
研究おいて、人間の聴覚は現状の5.1chサラウンドシステムで作り出される音場よりさらに多くの方向性を聞き分けることが出来るとされています。その際に直接音は音源の方向を特定し、反射音は音響空間に対する音場の大きさを認識するために使用されます。
実験では人間の聴覚による空間認知力は前方向の方が、横や後ろ方向より高いことを示しています。
このことは映画や音楽のような前方に重みを置いたコンテンツのためには、後方より前方により多くのチャンネルを割り当てる方が良いことを意味します。

さらに垂直方向より水平方向の方がサラウンドイメージには有効で、技術的には垂直方向の展開を考える前に、耳と同じ高さの水平方向にチャンネルを増やすべきと言えます。 しかし聴覚特性はサラウンドイメージを構成する唯一の要素ではありません。音楽に対する部屋の音響特性は十分に研究されており、主観的な印象と音響設計の関係は過去30年間に渡って研究されてきました。

研究において、人間は反射された音の方向性、周波数特性、そして到達時間に対して強い潜在的な好みを持っていることが分かっています。
これらの要素を適切に再現するには、チャンネルの追加とサラウンド処理が必要です。


7.1 SURROUND: A  B9.1 SURROUND: A  B  C

どこに新しいチャンネルを加えるべきか?
研究からの重要な発見のひとつは、最初の壁への反射音が主観的印象を決定する大きな役割を果たすということです。 反射音の最も大切な方向はフロントに対して±60°(センタースピーカーの位置を0°として)であることが判明しました。
Audyssey DSXは周波数特性と人間の聴覚に対して最適な処理を行った1組のワイドチャンネル(LWとRW)を、±60°に提供します。
このワイドチャンネルはリアルで包み込まれるようなサラウンド空間を作り出す上で、既に実現化されている7.1chシステムのサラウンドバックチャンネルよりはるかに重要な要素となります。

リスナーの背面にサラウンドチャンネルを追加することによる効果は非常に小さいものです。
音響工学や聴覚特性の観点から、次に重要な要素は前方の高さ方向からの反射音です。
Audyssey DSXは45°(リスニング位置を水平に0°として)の角度で取り付けられた1組のハイトチャンネル(LHとRH)を提供します。

新次元のサラウンド空間を実現
Audyssey DSXは新しいワイドとハイトチャンネルを作り出す中で、サラウンドチャンネルとサラウンドバックチャンネルに対しても包みこまれる様な感覚を拡張する処理を行います。Audyssey DSX Surround Processing(サラウンドプロセッシング)はシステム内の各スピーカーの相関を考慮し、聴覚特性を最適に向上させる為にタイムドメインと周波数ドメインの特性に対して補正を行い、今までのホームシアターシステムは実現出来なかった、流れるように包み込まれる様なサラウンド空間を生み出します。

Audyssey DSXはユーザーの必要性に応じて拡張が可能なシステムです。
サラウンド空間や環境をより高める為には1番重要な点はまずワイドチャンネルを追加することであり、次にハイトチャンネルを追加することです。ワイドチャンネルのみ、あるいはワイドチャンネルとハイトチャンネルを追加することが可能であれば、Audyssey DSXは従来にないサラウンド空間を作り出すことを可能にします。